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横浜山手東部ってどんな所?

エキゾチック山手町散策

 今から120年ほど前まで、山手町は日本人オフリミットの外国人居留地でした。緑濃い丘の上に、瀟洒な洋館がぽつりぽつりと点在していました。

 その山手町にエキゾチシズム(異国情緒)を求めて、歴史散策をしてみましょう。MM(みなとみらい)線の始発駅「元町・中華街駅」元町口改札口が出発点です。まず、掘川河口に位置するフランス山を登ります。鬱蒼とした樹木が、居留地時代の雑木林の原型を留めています。頂上付近に、横浜の詩人、大野林火の「今年も白い巨船来たれり、春も遠からず」の歌碑があります。遠くの異国から毎冬やって来る真っ白な巨船の定期便は、港横浜に春の訪れを告げる風物詩だったのでしょう。

港の見える丘公園
港の見える丘公園

  小さな木造の橋を渡ると、横浜港を見下ろす「港の見える丘公園」が、大きな広がりを見せています。イギリス館を囲むように咲き乱れるバラの花花、その向こうの南欧風庭園にはハーブの草草が心地よい香りを漂わせています。公園隅の「県立近代文学館」に隣接する韓国領事館は、山手にあっては数少ないアジアを代表する見事な建築物です。

 

外国人墓地
外国人墓地

 Uターンして、「日本の道100選」に選ばれた山手本通りを西に歩を運べば、右手に「外国人墓地」。そのバルコニーに立つと、十字架の墓石に重なる丹沢山塊の頭上に、富士山の美しい姿を望めます。墓地の門柱に刻まれた英国詩人トーマス・グレーの詩を口ずさめば、異国に生まれ此処に眠る人々の、ドラマチックな生涯に思いを馳せることでしょう。「美人の栄華 富豪の驕奢 いずれか無常の風にあわざらん 光栄の路 向かう所は墳墓のみ」。

山手カトリック教会マリア像
山手カトリック教会マリア像

  山手町には教会が似合います。中世イギリスの城砦を彷彿させる「山手聖公会」は、「元町公園」の向かい側。フェリス女学院の少し先にある「カトリック山手教会」の聖堂には、プラハの景色が描かれたステンドグラスがはめ込まれ、庭には150年も前にフランスから寄贈された聖母マリア像が佇み、優しく微笑みかけています。

  

 

山手公園・ヒマラヤ杉
山手公園・ヒマラヤ杉

 教会左手奥の、樹齢400年を超えるタブの木を通り過ぎると、明治3年開設の「山手公園」です。日本最古の西洋公園として「日本の名勝」に指定されています。園内には「日本庭球発祥の地」の碑があり、日本で最初に植えられたヒマラヤ杉の大木が林立しています。

  

イタリア山庭園
イタリア山庭園

 その昔、領事館があったということでその名を残している「イタリア山庭園」が散策コースの最後です。大丸谷坂の急な坂道を下ると、JR根岸線「石川町駅」はもう直ぐです。この坂一帯は、大正時代に「チャブ屋街」として栄えた所です。「窓を開ければ港が見える。メリケン波止場の灯がみえる」と「別れのブルース」に唄われている、そんな所でした。

 

 

                           (斉藤秋造)